さよならまでの時間

顔色も良くなった梨花を見て、すっかり元気になったと思っていた俺と聡。
そんな俺たちに兄貴が告げたのは・・・

「梨花、もう長くないよ・・・元気になったように見えるけど、あれは梨花の気力からだ。もう、いつ息を引き取ってもおかしくない・・・」

そう言った兄貴に、聡が言った。

「退院させるのは、無理ですか?」

「聡!お前、何言ってん・・・」

「聡くん、俺が今話したことわかってる?いつ息を引き取ってもおかしくないって言ったんだよ?退院なんて、無理に決まってるだろ?」

「・・・・・・」

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