さよならまでの時間

俺と兄貴に責められ、黙ってしまった聡。
下唇を噛み何かを考え込むような顔の聡がしばらくして言ったのは、俺と兄貴が予想だにしなかったことだった。

「俺、りんにウェディングドレス着せてやりたい・・・」

「聡、お前・・・」

「俺・・・りんが願っていたこと、少しでも叶えてやりたいんだ」

「結婚式を挙げさせてやることぐらいなら出来るかもしれない・・・でも、退院は・・・」


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