刹那のひかり
昇降口から一番遠い

白い部屋、相談室に着いた。

「城田さん…いいかな?」

「ナミくんですか?」

「ショウタくんだよ」

「わかりました」

部屋の中にいる女の子はそう答えた。

「入って良いよ」

先生からの合図でショウタは

部屋の中に入った。

その瞬間ショウタは凍りついた。

死んだはずのミサキが

目の前にいるのだ。

「ショウタくん、久しぶり!!」

声も髪も口調もあのときのミサキのままだった。

「ミ…サキ?」

「ショウタくん元気にしてた?」

ミサキはまるで

なにもなかったかのように

話しかけてくる。

「驚くにも無理はないよね…

私ねあの日死んだよ。

透明人間になって自分の

お葬式にも出たから。

ナミに会いたくて…

まだやりたいことがあって

帰ってきたの」

ショウタは涙を流してた。

ミサキが帰ってきたことが嬉しくて

なによりまたあの

元気なナミを見れることが嬉しくて

「なぁ、ミサキ?

偽名を作ろう。

ナミにはまだ刺激が…」
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