刹那のひかり

三時間目後の休み時間

ナミはトイレから帰ってきた。

ミサキの姿は目立った。

賑わっている教室。

少し寂しそうなミキの姿。

ナミはミキの目の前まで

速歩きで進んでいった。

「ミキちゃんだったよね!?」

「うん!!」

「クラスの人と話さないの?」

「話題が見つからなくて」

「俺が話し相手になるよ!!」

ナミはミサキにしてたみたいに

ミキに振る舞った。

だって…小学生の時の入学式後の

ミサキもこんな感じだったから。

すごい一人で寂しそうにしてて

周りの子からいじめられて

勉強も得意じゃなくて

唯一得意なのはダンスだけで。

その時ナミが声をかけた。

それからミサキはナミに

笑顔を見せるようになった。

そうなればいいと思った。

根は明るいミキだから。

ミサキみたいに笑ってくれれば

ナミはただそう願ってた。

「ミキは休日何して過ごしてるの?」

「うーん…ダンスしてるよ?」

「ファッションとか音楽は興味ないの?」

「うん…あまりないかな」

「好きな人はいないの?」

「気にしてる人はいるよ」

「だれ?」
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