刹那のひかり
カノンは泣きながら叫んだ。
「なんで…なんで…
ナミをかえしてよ
ナミは私の方を向いてたのに。
どうして奪っちゃうの
いつも私がナミを助けたのに
ナミを支えてたのに。
私が一番ナミを知ってたのに。
体に傷を追ってもナミを
好きでいたのに。」
カノンは自分が負けたことを実感した。
ミキを呼び出す前に
自分が泣いたら負け
自分以上にナミを知ってたら負け。
カノンは決めてた。
実際のミキはカノンの何倍も
ナミのことを知ってた。
自分が情けなくなって
その場にいれる気がしなくて
カノンは乱暴に扉を閉めた。
教室の中の鞄をとって
廊下を走り抜けた。
ナミが話しかけてくれたけど
カノンは反応できなかった。
かなしくて
自分が誰よりもナミのことを知ってて
誰よりもナミが好き
その思いが意図も簡単に覆されて。
ナミの前にいる余裕なんかなかった。
そのころミキはまだ屋上にいた。
3時間くらいだろうか?
ミキは屋上で雨に打たれてた。
親友のカノンとぶつかって
同じ人を好きになって
カノンの本音を知って