刹那のひかり
プルルルルルル…
電話の発信音が部屋に響いた。
「もしもし?ナミ?」
「おう。あのさ今って暇?」
「うん、退屈してたの」
ナミにとって嬉しかった。
ナミは五人ともが
退屈であってほしかった訳じゃない。
ミサキだけが退屈でいてくれれば
だってこれがミサキとの
初デートになるのだから。
「いまから遊ばねぇ?」
「うん!いいよ」
「何時から会う?」
「ナミは今すぐ家出れるの?」
「おう」
「じゃいまから会おうよ!!
私もね退屈してて誰かに会いたくて…
ナミにすぐ会いたい」
誤解してしまいそうな
ミサキの言葉。
“ナミにすぐ会いたい”
だけどきっと“誰かに”だから
好きとかじやないんだ…
ナミは少し凹んだ。
まあいいや…
いまからミサキに会えるんだから
「じゃあまたあとでな!!
俺も急いで準備するから」
「うん!!あとでね」
「そう言って電話を切った。
ミサキの温もりが途切れた…。
待ち合わせ場所につくまでは
ミサキの温もりを感じれない…
ナミはそれすら寂しく感じた。
急いで
ブーツとか革ジャンとか
引っ張り出してきた。
いつものナミの真冬の服装
薄い長袖に
チャラいガキが着てそうなパーカーに
スウェットだった。