刹那のひかり
ナミは最後のミサキの思いを
手にしたまま泣き崩れた。
なんだよ。
苦しんでほしくないから?
それも相談してくれよ
ナミはふらふらして
立ち上がって母親に言った。
「書きたいものがあるんです。
火葬を遅らしてください。」
頭を下げてナミは走って行った。
ナミは家に帰った。
靴を乱暴に脱ぎ捨て
紙とボールペンを手にした。
息は白く溶ける。
首にはマフラー。
まるで幸せだったあの日のように…
ナミの頬に
涙は伝ってる。
止まることなく…。
ナミは納得いかなかった。