素敵に政略結婚♪◆
「ですから、
気になさらずーーー。
あと、シャワー室があるんです。」
「え?」
「手術が終わった後に、さっと汗などを流せるように、
医者の仮眠休憩室に、シャワーが完備されているんです。」
「あ。--そうなんだ。」
春乃は少しホッとする。
やっぱり建志は、浮気なんてしていない。
「あ・・あのぅ。それで、その方はーー」
「あーー。
えぇっと・・・・」
不意に、松本さんが言葉を濁す。
「・・?」
「---多分、
ほかのところで、やっていくと思います。」
やけに歯切れが悪い松本さんを春乃は怪訝そうに覗き込んだ。
「あの・・・こういう事の処理はすべてリュートが行っております。
奥様は気になさらず、リュートにお任せください。」
松本さんは深々と頭を下げた。
春乃はどういう事かちゃんと聞こうとしたけれど、
ソレを言わせない雰囲気に口をつぐんだ。
「おはよーございます~。
あれ?松本さんはやいねぇーっ」
今日も元気にナナがキッチン横の勝手口から飛び出してきた。