素敵に政略結婚♪◆
誘惑夕闇
***
「え?招待状?」
日付が変わる少し前に返ってきた建志はネクタイを外しながら
少し怪訝そうな顔をした。
「えぇ。
お義母さまからだと思いますけど・・・」
「母さんから?」
春乃が差し出した白い封筒を受け取ると、
確かに後ろには
『柳瀬川 皐月』と書かれていた。
確かに、建志の母だ。
ナナが言うには直接、本家の使用人が持ってきたらしい。
「ふぅーん。
どうやら、お店の新作の発表会を兼ねてパーティを開くらしい。」
建志が中を開いて確認する。
そういえば、お義母さんってジュエリーのお店を開いていたっけ。
たしか、ママもお義母さんのブランドのブローチ持ってたなぁ。
新作って、どんなのかな・・・気になる。
「どうする?春乃。
この日は、僕は仕事で遅くなるんだけど・・・出席する?」
「えっーー?」
一人で出席はやっぱり少し不安・・・
「くす。大丈夫。行きたいんでしょ?
志保に一緒に行くようにお願いするから。」
「えっ?あっ。はい。でも、志保さんにご迷惑じゃ・・・」
そういうと、建志に優しく頭を撫でられた。
「大丈夫。志保はきっと喜ぶよ。」
そういって、優しく笑う建志はやっぱり素敵で…
ーーほんと、心臓の音が聞こえないか心配・・・。