素敵に政略結婚♪◆
強気に反論する志保にまた、笑ってしまう。
ホントは、浮気なんかされたら
立ち直れないくせに。
「あはは。
じゃぁ、志保。
春乃をよろしくね。」
『わかったわ。・・・っていうか、婦長さんとか大丈夫だった?』
「え?なんで知ってるの?」
『---やっぱり何かあったの?
建志、あんまりあちこち手を出すのはやめてよね。
前に、春乃さんと一緒に病院に遊びに行った時のナースステーションの
あの嫉妬ぶりは酷かったわ~。』
「大丈夫だよ。っていうか、俺、職場では手ぇ出してないし。
勝手に、思われてただけ。
ほら、俺って皆に優しいフェミニストじゃん?
顔もいいし、皆の『王子様』じゃん?
でも春乃に手を出したら、容赦しないし。」
『呆れた。ホント建志ったら自己中~~。
いつまで、『王子様』で春乃のそばにいるの?
ホントは意地悪な悪魔のくせに。』
くすくすと志保は楽しそうに、反論した。
建志は困ったように
苦笑する。
「まぁ、春乃が望むなら、
一生ーーずっと春乃の『王子』でいるさ。
だから、パーティの件、よろしくな?」
『了解。ボディーガードにリュートをよこしてよ?』
ボディーガードか・・・
建志は、身に覚えがあるだけに苦笑するしかなかった。
俺が結婚したことをよく思ってない女もいるしなぁ。
・・・割り切った関係だけだったのに。
ホント、女ってわからない。
春乃を表に出すことを
ちょっとためらいながら、建志は
母親に『パーティに出席する』と返事をした。