素敵に政略結婚♪◆
***




「そんなに緊張しなくていいのよ?」


志保さんは優しい微笑みを私に向けてくれる。


夕焼けが霞んで
夜の闇があたりに降りてきたころ、
パーティ会場についた。



後ろには、リュートさん。

リュートさんもしっかりとパーティ仕様でいつもと違いきらびやかな
スーツに身を包んでいる。
綺麗な顔立ちによく似合っていて、
確実にすれ違う女性の視線をうばっている。

私は、悩んだ末すこし落ち着いた着物を付けた。
事前にお義母様からいただいていた髪飾りと帯留めを付けると、
いっそう華やかになる。




会場は、華やかで落ち着いた雰囲気。

何人か着物の女性もいて、
その中に囲まれるようにお義母様がいた。


お義母様は黒いドレスに身を包んでいた。


「もう。母さんったら、
 私たちには着物をつけさせて、
 自分はドレスってわけ?」

志保さんはちょっと不満そうに、
付けてきた着物の裾を払う。


「あ。でも、すっごく お似合いですよ。
 志保さん、色が白いから柄が映えるんですね。」

「・・・・ありがとう。
 ふふ。実は、主人からの贈り物なの。こんな時につけないとね。」
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