素敵に政略結婚♪◆
***


夏樹さんが苦手になったのは、
中学生のころ。









「おかえり。
 春乃。夏樹が来てるわよ?」

「ただいま。ママ。
 夏樹さんが?」

「えぇ。婚約者の静香さんと一緒よ。」


当時、中学生だった私は少し上の夏樹さんは憧れの存在であり、
良い兄であった。

夏樹さんは成人をしたばかりで、
幼いころからの婚約者との結婚も決まっていた。


春乃の実家は
料亭も営んでいるため、
二人の結納も兼ねた両家の顔合わせをするため
打ち合わせに来たらしい。



「じゃぁ、私、挨拶してくるね!」

婚約者の静香さんも清楚で美人。
まさに理想の二人。


二人が打ち合わせをしているという
奥の部屋へと向かう途中

・・・あれ?

夏樹さんが
違う部屋へと
静かに入っていく。


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