素敵に政略結婚♪◆
ガチャリとドアを開けた先にはーーー
「--んぅ。」
甘い女性の声と、
女性を支えるように、彼女の唇をうばう男。
「あーー。」
春乃は、あまりの衝撃に気の抜けた声が出てしまった。
その物音に気が付いた二人は
すぐに入り口の春乃を見た。
「--春ちゃん?」
最初に口を開いたのは男の方ーーー夏樹さん。
女性の方は気まずそうに、目を伏せた。
彼女はーーーーー
静香さんの・・・付き人だ。
「あっ。あのっ・・・」
「うーん。春ちゃん、変なもの見せちゃったね?」
夏樹さんは
ふふふ と いつもの優しそうな微笑みで、
春乃に歩み寄る。
春乃はあまりの衝撃で
どういうことか
理解できていなかった。