素敵に政略結婚♪◆
リュートさんがそっと後ろから私の肩に手をまわして
守る様に引き寄せた。
「やだなぁ。
何?キミ。付き人?執事?
使用人ごときに、口出しはされたくないな。
なぁ?春ちゃん?」
また柔らかく微笑む。
「---。」
春乃は無言で、リュートの袖を キュっとつかんだ。
何を考えているかわからない夏樹が怖い。
なぜ私に構うんだろう。
「しかしながら、
奥様も困っているようですので・・・・」
リュートはあくまで柔らかい物腰で
夏樹ににっこりと綺麗な微笑を向けた。
「やだなぁ。僕と春乃は昔から知ってる気ごころ知れた仲だよ。
困ることなんて無い。
失礼だなキミ。」
夏樹は不愉快そうに
リュートに視線を投げる。
リュートは相変わらず綺麗な微笑を崩さない。
ーー。いけない。
「りゅ・・・・リュートさん。
あの。私は大丈夫ですから・・・
夏樹さんは私の従兄弟ですが…
ずいぶん久しぶりだったから、
私が…その、緊張してしまって。
二人とも・・・すいません。」
あわてて私は頭を軽く下げる。
私のことで雰囲気が悪くなっても困るし、
穏便に済ませたい。
リュートさんは「失礼しました」と丁寧に頭を下げてまた一つ下がり、
夏樹さんは満足そうに、ふふん と笑った。