素敵に政略結婚♪◆
控室にいた静香さんは
さっきみた時と同じ、
白いドレスで輝いていた。
私はありきたりなお祝いの言葉を述べて、
素直に、綺麗だと伝えた。
この綺麗な花嫁さんは世界一シアワセなはずなのに、
輝いて見えるのにーーー
私はどこかチクンと胸が痛んだ。
「今から披露宴だから、
まだ、緊張しちゃって・・・」
幸せそうに静香さんは微笑みを浮かべた。
知ってるんだろうかーーー
静香さんの髪のセットを手伝っているスタッフの一人は
夏樹さんとキスしてた
あの人だーーー。
ちらりと私を見るけれど、
何事もないように
仕事を進めている。
どうして、夏樹さんは浮気なんてーーー
中学生の幼い私にはよくわからない…
「あら、春乃どうしたの?ぼーっとしちゃって?」
「え?そっそう?
ちょっと見とれただけだよ?」
がちゃりと後ろのドアが開いた。
「やぁ、僕のかわいいお嫁さん。
・・・っと、叔母様も来てましたか。
----こんにちわ。春ちゃん。」
今日のもう一人の主役、夏樹だった。