素敵に政略結婚♪◆
「あのっ。
---初めてで・・・・・」
というと、建志は綺麗な目を大きくして
驚いたかと思うと、とろけるような笑顔で返した。
「やったぁ。
じゃぁ、春乃の初めてを僕がもらうね?
うれしいなぁ。」
ホントに無邪気な笑顔を返すものだから春乃はなんだか
こちらまでうれしくなった。
経験がないのは春乃にとって
不安の一つだった。
全く知らない人のもとへ嫁ぐのだ。
どんなに不細工でも、ひどい性癖を持っていても
春乃に拒否権は無い。
しかし、夫になった「建志」はとても優しそうで
不安がないとは言い切れないが、
にっこり笑顔で微笑まれると、
なぜだか、経験がないのがとても良い事したかのように思えて
春乃は安心した---
「春乃ーー。キスも初めてだった?」
そういえば、初対面が結婚式で誓いのキスーーだったなぁ。
「--あ。いえ・・・」
「そっかぁ。春乃、かわいいもんねぇ。
付き合った彼とかいるよね。
でも、セカンドキスは僕のね?」
そういって建志は春乃の唇にキスした。