素敵に政略結婚♪◆
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「なぁ。建志。
春乃と別れるってっ?
早かったなー。ははは。」
珍しく私服でラフな格好のリュートが楽しそうに
建志のデスクに近づいた。
「リュート。今日は休みだろう?
何しに来たんだ?」
不機嫌そうに
一瞬リュートに目をやって
建志は再び書類に目を通す。
今日は
病院で医者の建志ではなく、
会社の方に出勤だ。
「べっつにー。
俺のとこにも『建志と春乃の生活はどうか?』
って、連絡が入ったからさぁ。」
ニヤリとリュートは笑う。
建志は顔をしかめた。
「……春乃の・・・・日向井家からか?」
「まぁね。
一応、建志の第一秘書だし?
俺って優秀な執事だし?
まーーー、根掘り葉掘り聞かれただけだから、
気にするなよ?」
「…気にするだろ。ソレ。」
やれやれと、
書類にいくつか走り書きをして
建志は、
ため息交じりにリュートを見つめた。