素敵に政略結婚♪◆
切られた電話をぼーーっと
握りしめて、
なんだか泣きそうになってくる。
デートって…
これって浮気?
やだ。
建志に誤解されちゃ・・・
でも、これ以上 夏樹さんに結婚生活をじゃまされたくないし。
うーん。
夏樹さんが来る前に
にげちゃおっかなぁ。
どうしようと思っても
逃げられるわけでもなく、
ココは腹をくくって
夏樹さんとデート…じゃない話をしなきゃ。
よしっ。
気合を入れると、
奥にいるママに声をかけた。
「ママ!
夏樹さんと出かけてくるね!」
「え?ちょっと春乃ーー・・・・!!!」
ママが後ろから何か言ったけど、
とりあえず私は
玄関から飛び出した。
「あれ?春ちゃん。時間ぴったりだね?」
にこにこと優しい笑みを浮かべた
夏樹さんがふわりと春乃に
黄色い花束を渡した。
「・・・ありがとうございます。」