素敵に政略結婚♪◆

「そういえば、結婚式以来、
 建志君にもその奥様にもあってないけど・・・」

「元気みたいよ?
 まぁ・・・イロイロあるみたいだけど。」

建志の過去や性格をよく知っている志保は
苦笑いを浮かべた。


「ふぅーん。
 でも、奥様は『日向井』のお嬢様だろ?
 日向井っていうと・・便利だろうな。」

「何が?」


「志保。知らないのか?」


志保の旦那様はびっくりしたように
顔を上げてにやりと笑った。


「日向井はホテルや旅館などで有名だけど、

 一番評判がいいのは
 『情報』なんだよ。

 建志君が…というか、業務提携の必須要項はその情報収集技術と人脈なんじゃないのか?」


「それって、どういうーー」


邪魔をするように
携帯電話が鳴りひびく。

「・・・」

「ちょっと、見ないふりしないでとらないの?」

「優秀な秘書だから、
 ほんの数時間、俺が夫婦の時間を過ごしても大丈夫だろ」

ポイと携帯をソファーに投げすてて、
志保を抱き寄せる。


うーん。
あと10分もしたら、
怒った秘書の市川さんが迎えに来るんだろうな。

志保はそんなことを思いながら、
愛しい旦那様に軽くチュッとキスを落とした。


< 156 / 213 >

この作品をシェア

pagetop