素敵に政略結婚♪◆
「そういえば、結婚式以来、
建志君にもその奥様にもあってないけど・・・」
「元気みたいよ?
まぁ・・・イロイロあるみたいだけど。」
建志の過去や性格をよく知っている志保は
苦笑いを浮かべた。
「ふぅーん。
でも、奥様は『日向井』のお嬢様だろ?
日向井っていうと・・便利だろうな。」
「何が?」
「志保。知らないのか?」
志保の旦那様はびっくりしたように
顔を上げてにやりと笑った。
「日向井はホテルや旅館などで有名だけど、
一番評判がいいのは
『情報』なんだよ。
建志君が…というか、業務提携の必須要項はその情報収集技術と人脈なんじゃないのか?」
「それって、どういうーー」
邪魔をするように
携帯電話が鳴りひびく。
「・・・」
「ちょっと、見ないふりしないでとらないの?」
「優秀な秘書だから、
ほんの数時間、俺が夫婦の時間を過ごしても大丈夫だろ」
ポイと携帯をソファーに投げすてて、
志保を抱き寄せる。
うーん。
あと10分もしたら、
怒った秘書の市川さんが迎えに来るんだろうな。
志保はそんなことを思いながら、
愛しい旦那様に軽くチュッとキスを落とした。