素敵に政略結婚♪◆
写真は三枚。
私が花束を抱えて車に乗り込むところ。
車に乗っているところ。
そして海のカフェに入っていくところ。
どれも夏樹さんにエスコートされて
しっかりとしたツーショット。
「な…なにこれ。」
春乃の脳裏には
夏樹のニヤリとした笑顔がちらつく。
ーーー!!夏樹さんだ。
そうとしか考えられない。
「建志。これは…」
「うん。」
建志はいつもと変わらない優しい笑顔を浮かべる。
「浮気じゃなくてーーっ」
どう伝えればいいんだろう。
焦る。
浮気なんかじゃなくて
もう邪魔しないでくださいと言おうとしたら、
夏樹さんが勝手にドライブしてーーー
でもっ
それも浮気だと言われたら…
でもっ
でもーーっ
「…春乃?」
「あっ。ご…ごめんなさい。」
何を言っていいのかわからなくて、
一人で焦っている春乃に
建志はまた
いつものように
にっこりと笑いかけた。