素敵に政略結婚♪◆
時間はまだ9時を少し回ったところだった。
「あっ。建志坊ちゃん!
もう起きたんですかっ?」
下に降りるとすぐに、
エプロンをつけた中年の体格のいいおばさんが駆け寄ってきた。
「佐々木さん。おはようございます。
せっかくの休みだから、早く起きちゃった~」
「もうっ。春乃様を無理させてません?
昨日は結婚式で疲れてるところ、初夜でしょう?
建志坊ちゃんはタフかもしれませんけどねぇ~」
大きな声で、あははと笑いながら話す佐々木さんに
春乃の方が恐縮して、
恥ずかしくなってしまう。
「やだなぁ。佐々木さん。
僕、やさしーしっ。
お部屋、よろしくねぇ」
はいはい~と陽気な返事を佐々木さんは返しながら、
二階へと向かう。
春乃はあわてて頭を下げて、二人でダイニングまで行く。