素敵に政略結婚♪◆
建志の言う通り、料理長である田代の用意してくれた
朝ごはんはおいしかった。
「--おいしぃっ。」
「でしょ?
この味に惚れて、アメリカでスカウトしちゃったんだ。」
建志はこの3日前までアメリカで仕事をしていた。
その時一緒に連れて帰ってきたらしい。
この第二邸で働いている人は、
もともと建志の実家で働いていた人や、
建志がスカウトした人だということを教えてもらった。
「だって、大切な奥様のお世話をしたりする人たちだろ?
変な人にはお願いできないじゃないか。」
食事もあらかた終わり、
コーヒーを飲みながら建志は春乃に微笑みながら言った。
「あ・・・ありがとうございます・・・」
なんで、こんなにうれしい言葉をかけてくれるのかしら…
初めて会う人と結婚なんて言うありえないことを
忘れさせてくれるぐらい
建志の優しさにおぼれそうだった。
「あ。そうだっ」
建志は思い出したように、
ダイニングテーブルの近くにある
サイドテーブルから、
携帯電話を取り出した。