素敵に政略結婚♪◆
建志はちょっと困ったように春乃を見て、
「だから、絶対に浮気はしないけど、
勘違いされるような事はあるかもしれない。
だから、
先に言っておくよ。
僕には、春乃だけだからーーーー」
そういって、建志は携帯電話をピっと操作する。
『全アドレス消去』
その画面を春乃に見せてから、
消去ボタンを押した。
「え?だい・・大丈夫なんですかっ?!」
逆に春乃の方が焦る。
「ん?大丈夫だよ。
たいしたアドレスは入ってないし。
だから、
春乃の番号ーー教えて?」
「は・・はいっ」
でも、春乃は寝室のカバンの中の自分の携帯電話を思い出した。
いけないっ。夕べから何も見てないわ。
「もしかして、部屋?」
「はい。すいません・・・」
「大丈夫。後で教えてね。
今日は、ゆっくりしようね~」
そういって、二人はあたたかいコーヒーを向かい合って
飲み干した。