素敵に政略結婚♪◆
「先生なら、今カンファレンスの時間ーー
あ。リュートさんに聞いてみたら?」
横田さんは遠くから歩いてくるリュートを指さした。
「ありがとう。
春乃さんちょっと待ってて。」
志保はくるりと振り返ると、
リュートの方へ小走り走って行った。
春乃はナースステーションの前でポツンと待つ。
「あなた…建志先生の奥様よね?」
「は・・はいっ。」
不意に声をかけられて春乃はあわてて
頭を下げる。
結婚式に参加していた方かもしれない。
その声に、
ナースステーションの看護師さんがざわめいて、
こちらを向く。
「ふぅーん。ホント、子供じゃない。」
「やだぁ。釣り合わないわね。」
「え?横田婦長、この子が先生の?やだぁ。
よくこれで隣に建てるわねぇ」
「ふーん。ホント金で先生を奪ったのねぇ」
「お金持ちのやることって、ひどいわね~」
ーーえ?何言って・・・・・
春乃に対して嫉妬の嫌味を言わるんだと
理解するまで、一瞬パニックになる。
「建志先生が優しいからって、こんなとこまでくるなんて
調子に乗らないでよね。」
横田がふんっと鼻で笑って
春乃を睨みつけた。
春乃の心がずしんと重くなった気がした。