素敵に政略結婚♪◆
「春乃さんっ。--あれ?どうかした?」
志保が軽快に戻ってくる。
春乃はすぐに
笑顔を作って志保に振り返る。
「な・・んでもありません。」
春乃は懸命に自然に見えるように笑顔を作る。
「---ふぅん?」
ーー気が付かれなかったかな?
大丈夫だよね?
志保は まぁいいわ。 といって
ナースステーションを後にする。
リュートに連れて行かれたのは
小さな個室のような
すりガラスでいくつか仕切られた小部屋だった。
「ここで待ってていただけますか?
今 お連れします。」
リュートは綺麗に頭を下げる。
薄い色素の髪が光の具合で
きらりと金髪に見える。
そして、部屋を後にする。
あまりに優雅だったため
思わず見とれてしまう。