素敵に政略結婚♪◆

あわてて通話ボタンを押す。

「もしもし。」

『もしもし?春乃?』


電話越しの声に
春乃はときめく。

声だけで鼓動が早くなってしまう。
きっと建志の声には
フェロモンが混ざっていると 真剣に思ってしまう。


『春乃。---んーー。ごめんね。
 
 今日は帰れないんだ。』

「え?」

『僕の歓迎会を開いてくれるみたいでーーー』


春乃の脳裏にナースステーションで出会った
美人の看護師達が頭をよぎる。

心がずしりと重くなる。



『だからね。先に寝ててーーー。


 ごめんね。できるだけ早く帰るようにするから。』


「わ・・わかりました。」


ーーっ。ここで怒ったりしたら
かわいくない女の代表みたいになっちゃうわよね?

建志の負担にはなりたくないし。



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