素敵に政略結婚♪◆
家
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「ここが、新居。
なにか必要なものがあったら言って?
荷物は昨日のうちに届いているはずだから。」
車を駐車場に止め、テキパキと荷物を下ろす彼ーー。
結婚式が終わり、早々と車に乗せられた私は
彼につれられるまま『新居』に到着した。
結婚したという実感がないーーー。
「あの~~。」
「なぁに?」
にっこりと、王子様スマイルを投げかけられれて、
胸がドキドキする。
心臓の音が聞こえてしまわないか心配だ。
夜も更けて
あたりも暗いがこれだけはわかる。
「なんで、こんなに大きな一軒家なんですか?」
「え?気に入らなかった?」
彼は不思議そうに春乃を見つめる。
「日向井邸よりは小さいだろ?」
春乃の実家も大きい方だが
『若い二人が新生活をスタートする』というのに
大きな一軒家だということに春乃はびっくりしていた。