素敵に政略結婚♪◆
ーー調子に乗らないでよねーーー
美人な看護師さんに言われた言葉が頭の奥でちらつく。
『春乃。ごめんね・・・寂しい思いさせて。』
「大丈夫ですっ。
本当に大丈夫ですので。
気になさらないで、行ってらっしゃいませっ。」
思わず玄関だということ忘れて
声を荒げてしまう。
ナナが少し驚いたように春乃を覗き込んだ。
『・・・ふぅん。
わかった。』
ピッ
プープープー
・・・き・・・切れちゃった。
なんだろう。
すごく・・もやもやしちゃう。
胸が何だか詰まったような感じがして
心がまたずしんと重みを増した。
「奥様?」
「…はい?ナナさん。」
ナナは困ったように春乃を見つめた。
「奥様。そんな顔なさらないでください。」
「え??」
どんな顔しているんだろう。私ーー?