素敵に政略結婚♪◆
車を5~6台は平気で止められそうな大きな車庫に、
門をくぐってからの玄関までの広い前庭。
家の中に入らなくても、
大きなお屋敷なんだろうなというのがわかる。
「じゃ。すぐに、引越そう。
ごめんね。
柳瀬川家の第2邸宅なんだよここ。
ーーそうだよな。旦那の実家が近いって新婚なのに嫌だよね。
ごめんね、気遣いできなくて。」
すぐに、ポケットから携帯を取り出して
電話をかけようとするのを春乃はあわてて止める。
「ちが…ちがいます。
嫌だとかじゃなくてっ!!
驚いただけで…
とりあえず、中に入りましょう…」
春乃はあわてて玄関の扉を開けようとすると、
すーーっと扉が開いた。
「おかえりなさいませ。旦那様。奥様。」
そこには、
スーツに綺麗なグリーンの瞳。
茶色のくせっけのある髪を後ろに流すように整えた
美青年がうやうやしくお出迎えをした。