素敵に政略結婚♪◆
春乃がおろおろするものだから、
母親はふと優しい笑顔を浮かべて、春乃を撫でる。
「春乃。何があったか教えてくれるわね?」
ニコニコしているが厳しい視線を春乃に向ける。
「何もないわよ!!
そんな、あのっ。
ただ、そういうことがあったら…どうするかなぁって・・・」
「そう・・・
建志さんの愛人から、電話があったのね?」
一生懸命ごまかすが、
母にはもうお見通しらしかった。
もう。
建志には・・迷惑かけたくないのに・・・
「ママ・・・。大丈夫よ?」
「…春乃。わかるわ。
建志さんはかっこいいし、モテるでしょう?
この結婚も急だったから、
恋人がいたっておかしくないわ。
建志さんのことが信じられないのはわかるわ。
いくら、かっこよくて、
評判がいいと言っても、私生活まではねぇ…
だって、まだ数日しかたってないんですからね。」
母がふぅっとため息をつきながら、春乃を一瞥する。
「ママっ。
建志はそんな人じゃないわ!」
ーーいくらママでも、建志をそんな風に言うなんてっ。
思わず大声で怒鳴って、椅子から立ち上がる。