素敵に政略結婚♪◆
「建志は、とっても素敵な人よ!
絶対に浮気はしないよって言ってくれたし。
私だけって言ってくれたしーーー」
「春乃。春乃。
おちついてっ。」
「あ。」
我に返った春乃は、店中の注目を浴びていることに気が付いて
あわてて椅子に座る。
ーは・・はずかしいっ。
顔を赤くして、テーブルにうつむいた。
「やだ。春乃ったらそんなに大声で・・・」
母はおかしそうにケラケラ笑って手をパタパタさせた。
春乃はただただ恥ずかしくて
もう、小さくなるしかなかった。
「だって・・・ママが建志を悪く言うから~」
「あら、やだ。
建志さんのこと信じていないのは本当でしょう?
だって、信じていたら
そんな『恋人かもしれない人』のことなんて
心配しないもの。」
「---っ。」
「大体、問い詰めるんじゃないかしら?
そんな女がいるなら。
ソレをしないのは、春乃が建志さんの愛情を信じていない
ってことでしょ?」
「だって、そんなことして、
建志にーー迷惑かけたくないの。」
春乃は、目にいっぱい涙をためて
またテーブル目を落とした。