素敵に政略結婚♪◆
お菓子
***
「あの~奥様…本当にやるのか~?」
「えぇ、田代さん教えてください。」
春乃は小さくぎゅっとこぶしを握り締めて、
田代さんにぺこりと頭を下げた。
柳瀬川家のこの第二邸である家の、料理長といっても
他にシェフがいないため
ほとんど一人で料理を担当している。
「奥様。ワシはあまり教えるのは得意じゃないんだがーー」
そういいながら田代さんはやれやれと
春乃に、卵を手渡す。
「奥様~~」
後ろでハラハラしながら、ナナがキッチンを覗き込んでいる。
「大丈夫ですよっ。ナナさん。」
こう見えても、たまーーにママの手伝いしてたんだからッ。
と言っても、本格的に料理などしたことがない。
田代さんの提案で
とりあえずクッキーでも作ることにしたのだが、
手つきがおぼつかない。
とりあえず、
田代さんがサポートしてくれて、
何とか、クッキーの生地が出来上がる。