素敵に政略結婚♪◆
***

「旦那様ーーおはようございます。
 今日の予定ですがーーー・・・・…旦那様?」

いつものように、いつもの綺麗な笑顔で玄関先に立つリュートは
下げた頭を上げながら、不機嫌な主人を見た。


「--おはよ。聞いてるよ。」

ぶすっと不機嫌丸出しの建志。
すこし困ったように、顔をかしげた春乃。

「---すいません。
 私、朝から邪魔しちゃいましたか?」

顔色を変えずにリュートが
軽く笑った。

「まぁな。・・・春乃にお預けを食らっただけ。」

「けっ・・・建志っ。」

真っ赤になりながら戸惑う春乃。

「・・奥様、可愛らしいですね。その反応。

 でも、拒否していただいて私は助かりました。
 今日は病院ではなく、会社の方で朝会議がありますので・・・

 朝から、ヤッて遅刻。なんて冗談じゃありません。」

「リュートが邪魔しなければ、十分味わえたんのに。」


「失礼な。私は仕事をーー
 大体、そんな短時間で・・・
 あぁ。旦那様は『早い』っていう軽いカミングアウトですか。
 
 それは、意外でした。」

「---。お前なぁ・・」

二人が冷静に言い争いを始めたもんだから、春乃はさらに困った顔で二人を見比べる。

「あのっ。二人とも・・・」

ーーんー。困ったなぁ。


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