素敵に政略結婚♪◆
春乃が困って、建志の腕を軽く引っ張る。
「あの・・。ごめんなさい。」
ーーこんなに不機嫌になるなら、二人で気持ち良くなればよかった。
春乃はしゅんとうなだれながら、
建志に謝った。
「は…春乃?…なっなんで謝るの?
僕は怒ってないよ?」
「でも…リュートさんと喧嘩していますし…
ごめんなさい。」
「春乃。春乃は悪くないよ。ごめんね?
そんな顔させて…」
「そうですよ。奥様。
勝手にヤれずに、欲求不満になって不機嫌になっている旦那様が悪いんです。
奥様は、旦那様を朝きちんと送り出すという役目を
十分に果たしております。
大体、朝から盛らないでほしいですよね。
いい大人が…ガキか。
新婚だからっていい加減にしてください。」
リュートは綺麗に笑いながら、玄関を開け建志を外へと促す。
「リュートっ。お前なぁ・・・」
「時間ですよ。旦那様。」
遮る様にリュートが冷たく言い放つ。
建志は軽く ちっ と舌打ちをして、春乃に向き直った。
「春乃。行ってきます。
続きは今夜ね?」
「はい…・・---っ??!!」
あまりに爽やかにいうものだから思わず返事をしてしまったが、
春乃は、恥ずかしくなって耳まで真っ赤になる。
「旦那様。言葉攻めは二人っきりの時にやってください。
あてられるこっちの身にもなって下さい。」
「あはは。リュート。嫉妬か?」
「-----さっさと車にお乗りください。」
リュートは綺麗な微笑を一瞬しかめて、
不機嫌そうに、建志の前を歩いた。
建志は、リュートの微笑をゆがませたのがうれしかったのか、
ニヤリと笑って、後に続いた。