素敵に政略結婚♪◆
二人が去っていた後の玄関先を
ドアをあけっぱなしにしてぼーーっと春乃は見送っていた。
「奥様。相変わらず、あの二人仲良しですね~」
「え?そうなんですか?松本さん。」
ひょっこりドアの後ろから庭師の松本さんが
「おはようございます」と言いながら顔を出した。
「リュートも徹夜で疲れているから毒舌で面白かったですし、
あそこまで言われて、激怒しない旦那様も
リュートのこと信頼しているんですよ?」
ふふふと笑う松本さんもどことなく楽しそうだった。
「そうですか。
よかった。私が悪かったのかと・・・」
ほっと一安心。
「奥様。
夕べの報告ですが・・・」
ーーー?ゆうべ?
春乃はきょとんと首をかしげた。
不思議そうな春乃に松本さんは気が付いたのか、
あぁ。と軽く声を上げて、
「とりあえず、朝食をとりながら報告いたします。
田代さんがお待ちですよ?」
松本さんは玄関を閉めながら、
春乃を中へと促した。