胸キュン


そして二人三脚が始まった。



俺と古下さんは第二走者だ。



第一走者は知花と相田ペア。



「位置に着いてよーい!!!!」



パーーン!!!!!



知花と相田ペアは勢いよく飛び出した。



それにも関わらず意気があっててこける事もなく走りに近い歩きで敵との差を広げていく。



知花は余裕って顔で相田に笑顔をむけてる。



相田も知花に嬉しそうに笑いかけている。



ただそれだけの事…。



だけど知花の笑顔があまりにも可愛いくて…。



嬉しそうな笑顔で辛くなった。



知花の隣で走りたい。



相田じゃなくて俺に笑顔をむけて欲しい。



俺ってこんなに独占欲強かったんだ。



知花は俺の彼女じゃない。



そんな事、俺が1番わかってる。



知花はちゃんと俺の事を考えてくれてる。



笑顔も見せてくれる。



最初はそれだけでよかったのに…。



いつの間に…こんなに我が儘になったんだろう。



今じゃ、知花が他の男子と話すだけで嫉妬してしまう。



俺だけの知花にしてしまいたい。



もしも知花が鳥だったら…鳥カゴに入れて鍵を閉めて…。



誰にも見せない。誰にも触らせないようにしてやるのに…。



だけど知花はきっと…鍵を閉めていても、背中の翼を羽ばたかせて空に逃げて行くんだろうな…。



そのまま戻って来ないんだろうな…。



知花は強くて優しくて思いやりのある奴だから…きっと一人で生きていける女だから…。



俺がいなくても笑いながら生きていくだろう。



泣き虫なくせに…。



俺の心だけを奪い取って消えてしまいそうで怖いよ。



知花…。お願いだから…側にいて…?



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