胸キュン


「湊君?」


「え?…あっ…ん?」


「もうすぐ出番だから足を結んでもいい?ってかぼーっとしてるけど大丈夫?」


「あっ、平気。うん。足結んで下さいな!」



やべぇな…。



俺、本気で女々しいよな…。



今は、体育祭なんだからまずは二人三脚頑張らなくちゃいけねぇのに…。



パンパーン!!!!!!!



「うわっ!何だ!?」


「またぼーっとしてるね。今のは終わりの音。ほら見て!相田君と千崎さんペアが一位だよ!」


「え…?」



ゴールの方を見てみると満面の笑顔の知花と相田が一位の旗を持っている。


まただ…。また胸の奥がチクチクする。



「湊君?出番だよ?並ばないと…」


「あっ、わりぃ。」


「しっかりして!大丈夫だって!絶対勝てるよ」



古下さんは俺が緊張してるんだと勘違いしてる。



「湊ぉ!!!頑張ってね!!絶対勝てるよぉ!!!!」



知花がゴールの方から俺を応援する声が聞こえてくる。



そんな些細な事で喜んでる俺ってやばいかも…。



嬉しかったんだけど…。



「瀬川!!!!負けんな!!!」



と相田からも応援。



応援は素直に感謝だけど知花の隣で手をふる相田が羨ましかった。



本当に俺、知花の行動や言葉で一喜一憂してるよな…。




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