胸キュン


「位置に着いてよーい」


パーーン!!!!!!



二人三脚、俺の出番が始まった。



「いっち、にっ、いっち、にっ」



古下さんと意気を合わせて走って行く。



今は一位だ。何だ余裕じゃん。



と思ったのもつかの間…。



「きゃあ!!!!!!!」


「え!?うわぁ!!!!!」



古下さんの足元に石があって古下さんはそれに躓いてしまった。



「おっーと!!!瀬川、古下ペアは転倒してしまいました!!!!!今がチャンス!!!!!」



と放送の声が聞こえた。



転倒したとか言わなくても見ればわかんだよ!!!



「いたた…。ごめん。湊君…。大丈夫?」


「大丈夫…。古下さんは?怪我は?」


「私は大丈夫だよ。石があったんだね。見えなくてごめんね」


「大丈夫だよ。それより早く行こう?」


「そうだね。はい、手かして?」


「ありがとう…。」



古下さんの手を掴んで立ち上がろうとすると…。



「いっ!!!!!」


「え!?大丈夫!?」



やべ…。足が…。



「もしかして…足…ひねったの!?」


「みたい…。あはは。ごめん。今立つから…」



立たないと…!!!



二人三脚だけじゃなく合同リレーだってあるんだから。



「駄目だよ!!!!無理したら悪化しちゃうから!!!瀬川、古下ペア、棄権します!!!」



古下さんは大声で棄権宣言をした。



「ごめんね!本当に!今、紐解くね」



そう言いながら紐を解いてくれた。



「肩に手を回して?医務室行こう?」


「あっ…ありがと。」



なんか…古下さんって…しっかりしてるな。




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