胸キュン


亜紀の頑張りもあったおかげで四組は二位だ!



そのまま四組は走り続け二位をキープしている。



「あっ…次は知花だ…」



六番走者の番が来た。



無理はせず二位をキープして欲しい。



そして黄色いバトンが知花に回された。



「知花ぃ!!!!!!」



知花は誰の声も聞こえてないかのように走り続けている。



後ろにはどうにか二位になろうと二組が追い掛けている。



悪運悪い事に…二組の六番走者は陸上部の長距離の選手だ。



走る事になれてる二組の選手は確実に知花との距離を縮めて来る。



それでも知花は後ろを振り返らず一生懸命走っている。



四組の応援は「逃げ切れぇ!!!!!」だし。



二組の応援は「抜かせぇ!!!!!!!」だ。



知花の耳にこの応援が届いているならすぐ後ろに二組がいる事がわかってるはず。



それなら怖くて振り返る事もするはずなのに…。



知花は絶対振り返らない。



無我夢中で走ってる。



もうすぐ二年の走者に渡る。



でも後ろには二組の走者がいる。



「知花ぃぃぃぃ!!!!!!」



知花…頑張れっっ!!!!




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