胸キュン



体育祭が終わり、頑張った証として担任が全員にジュースを奢ってくれた。



そのジュースを持って四組全員は裏庭の芝生で飲む事になった。



「湊ぉ!!!!!」


「知花!」


「私の走り見た!?」


「見た!最高だった!」


「本当?」


「ありがとな。知花。凄い嬉しかった。お疲れ様。」


「…ッ…」


「え!?」



いきなり知花が泣き出してしまった。



えぇ!?俺なんか悪い事言った!?



「知花!?何で泣いてんの!?」


「…ッ…本当は…凄い…怖かったの…ヒック…」


「!」


「二組の…人が…後ろにいるの…わかってた…」


「うん…」


「怖かった…けど…。湊…の代打だから…。頑張らなきゃって…ッ…」


「知花…」


「涙…流す気…なかったけど…湊を…見たら…ッ…我慢出来なく…て…」



必死で涙を止めようとする知花が愛しかった。



「…知花、ありがと。頑張ってくれて…ありがと」


そう言いながら頭を撫でてやると…子供のように目から涙を零した。



怖かったんだな…。頑張ったんだな…。



ありがとう…。



隣で泣く知花の頭を撫でながら…俺も泣きそうだった。



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