星のカケラ
あれ…どうしてだろ、涙が…
私の目からは一粒の雫が零れていた。
「片瀬ごめん、遅れた!」
そう言って赤谷くんは、私の机の前まで足早に来た。
私は急いで、自分から流れた涙を拭いた。
どうしよう…今泣いたって気づかれたら。
最悪…。
私は、零れそうな涙を抑えながら、持っていたボールペンの力を強めて日誌を書くのを再開した。
「俺が代わるよ」
赤谷くんは、私の隣に座って日誌を優しく自分の席へと移した。
私は、机に突っ伏した。
赤谷くん…私が泣いてるの気づいてるのかな?
どっちにしろ、今は誰の顔も見たくかった。