星のカケラ
「あ、日誌」
私はまだ書き終えてない日誌の事を思い出した。
「大丈夫。俺が続き書いといて、先生に出しといたから」
優しい笑顔を浮かべ、私の頭をぽんっと叩いた。…今のは叩いたと言うより触れたの方が合ってるかな。
暖かい。久しぶりに人の体温を感じた気がする。
ふっと、頬が緩んだ。
「何ニヤニヤしてんの?」
「…してません」
ハハッと笑い、赤谷くんは今度は私の髪をくしゃくしゃとした。
この人、綺麗な笑顔してるな。
私が見惚れていると、赤谷くんが「帰ろう」と、私の鞄を持ち上げ、歩き出した。
「自分で持つよ」
「女の子は男に甘えなさい」と頼もしい背中を見せながら言った。