星のカケラ
「ちょっ、いつもアンタ乱暴過ぎ!」
「ごめんごめん。朝から麻理に会えるなんて嬉しすぎるからさ、テヘペロ♪」
そんなこと言われたら怒る気にもなれない。
つかテヘペロ♪って。
♪ついちゃってるし。
「沙都実、調子に乗らないの」
「はぁ~い」
永山沙都実(ナカヤマ サトミ)は可愛い声を出し、「競争ー‼」と言いながら猛スピードで走り抜ける。
仕方がない。可愛い幼馴染の為に走ってやるか。
文芸部の私だからって、舐めて貰ったら困るのよ。
これでも、町内競争で1位を取った事があるんだから。
私も負けじと猛スピードで走り抜けた。ゴォーと効果音が出るのではないかと思うくらいに。
「あぁ‼麻理が私をぬ、抜かしたぁ‼」
沙都実は息をぜえぜえとさせながら、口を尖らせ、走る早さを早めた。
「ふっ。この私に勝とうなんて100万年早いのよ」
「悔しい‼しかも最後、余裕の雰囲気かもし出してるし‼」
「ふふふ」