星のカケラ




沙都実とは生まれた頃からの付き合いだ。物心ついた時には、行動を共にしていた。


母の話だと0歳から一緒に居た、と言ってるが、残念な事に3歳までの記憶が私にはない。

誰だって、小さい頃の思い出なんて余程の事がない限り覚えていないだろう。

もう、目の前に高校がある。

沙都実と徒競走(?)をしたお陰か、まだ8分ぐらい余裕があった。



「下駄箱まで競争ねー‼」


どんだけ競争が好きなの。
私は笑いながら、沙都実の後を追った。というか、抜かした。


「もー、麻理足早すぎ‼」


私はそんな沙都実の声を無視して、下駄箱まで一直線。



「ふぅ~…」

通学路から下駄箱まで走ったせいか、心臓がドクンドクンと音を立てている。


朝から疲れた~。
本当元気だな、沙都実は。


私は、沙都実が下駄箱まで来たのを確認すると、即座にシューズを取り出して、教室へと向かった。


後ろからは「待ってよぉ」と聞こえるが、そくささと教室に入った。













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