恋のレシピの作り方
「司、この伝票の数字、説明してくれますよね?」

 羽村が一条に向かって、印籠のように伝票を突き出す。

「あん? あぁ、それか、在庫増やしといた。ただそれだけ―――」

「ただそれだけ、じゃないですよ!? なんで私に言ってくれなかったんですか? あなたはいつもいつも勝手になんでも決めてしまって、後から帳尻合わせるこっちの身にもなってください!」

 いつもの羽村の小言が始まった。

 こうなると、ちょっとやそっとじゃ鎮まらない。
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