恋のレシピの作り方
「この前も勝手に打ち合わせの時間変えましたよね? あなたという人は! 聞いてるんですか?!」

 徐々に羽村の流れるような髪が逆立ってきたように見え、奈央は慌てて一条の様子を窺った。

「おい、逃げるぞ」

「え……? 逃げるって? ちょ、待っ!」

 一条は素早く奈央の腕を取ると、背中に羽村の罵声を聞きながら休憩室を飛び出した―――。
< 108 / 457 >

この作品をシェア

pagetop