恋のレシピの作り方

「お二人は、お知り合いなんですか？」

　二人の顔をキョロキョロと見比べて不思議そうにしている奈央の様子を、北川は面白いものを見るように笑って言った。

「司は俺がパリに留学してた頃、バイト先が一緒だったんだ、フレンチレストランで俺がウェイターで、こいつがシェフでさ」

「そうだったんですか、じゃあ長い付き合いなんですね」

「―――腐れ縁だ」

　横から口を挟んだ一条は、目で「いいか？」　と語り、胸のポケットから煙草を取り出した。