恋のレシピの作り方
「俺は、仕事中のお前の事しか知らない、いつも気丈に振舞って、自分の感情をいつも押し殺している……そうだろ?」

「!? どうして……そう思うんですか?」

 確かに奈央は、周りの男に軽く足らわれないように堅固な態度をとっていたかもしれない。

 厨房に無駄な女性らしさは必要ないとさえ思ってきた。

「お前はもう少し、自分を見せてもいいと思う」

「……」

(そんなこと、できるわけないじゃない……)
< 128 / 457 >

この作品をシェア

pagetop