恋のレシピの作り方
「あの、ありがとうございました、もう大丈夫ですから」


「なんか顔真っ赤だぞ?」


「え……!?」


「耳も真っ赤だ」


「真っ赤じゃありません!」


 からかわれている事くらいわかっていた。

 けれど、ムキになって否定するほど頬に熱が集中するような気がして、恥ずかしさが助長される。


「ほら、早く混ぜないど焦げつくぞ」

 言葉の最後に鼻で笑ったような笑いを残して、一条は厨房を出て行った。

(なんなのよ~~!)
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