恋のレシピの作り方
「来週中に、期間限定で夏メニューを企画するというものです、まぁ、前からこういう企画をやるって話は聞いてたんですが……いきなり来週中って言われて……」

 向こう一週間は、特に大きなファンクションもなかったはずだ。予約をクローズにすればなんとかなりそうな気もする―――。

 奈央はポケットから手帳をとりだして日程を確認した。

「羽村さん、その新作レシピって誰が考えるんですか?」

 羽村の動きがピクリと止まる。そしてしばらく沈黙の後、羽村は言った。



「発案者は、あなたです」
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